人の身体は脳と脳からの命令を伝える神経組織によって動いています。そのメインの神経の束を脊髄といい、脊椎骨(脊柱)の中に納まっています。
二分脊椎というのは、その脊椎骨が先天的に形成不全となり、本来ならば脊椎の中にあるべき脊髄が脊椎の外に出て癒着や損傷してくらめに起こる様々な神経障害の状態を言います。主に仙椎・腰椎に発生しますが、まれに胸椎・頸椎にも生じ、その発生部位から下の運動機能と近くが麻痺し、内臓の機能にも大きく影響を及ぼします。
わが国日本での患者発生頻度は出生10,000人あたり3~5人といわれています。原因は(1)栄養学的因子(2)環境因子(3)遺伝子因子と言われています。
二分脊椎症に因る運動機能障害は多岐にわたり、特に下肢の麻痺や変形、膀胱・直腸障害が見られるため、二分脊椎の治療、医療管理には脳神経外科・小児外科・泌尿器科・整形外科・リハビリテーション科を中心に眼科・皮膚科等も含め、トータルなケアが必要とされています。